傍観者のための生存戦略(ブラッキー研究所)

Schwarzeon Blacky氏が、ブラッキーとは全く関係ない傍観者としての思考回路を公開するだけのブログ (種族:ブラッキー)

学習性無力感と失敗続きからの脱却

失敗を重ねれば人は成長すると言われるものの、なぜか現実では失敗し続けてしまう。自分への戒めもあるのですが、この現象の裏には「学習性無力感」という現象が発生しており、これを知っていれば失敗から抜け出すヒントが得られるのではないでしょうか。

 

1. 学習性無力感とは

「学習性無力感」とは、長期に渡って回避困難なストレスを加えられた人間や動物が、やがてその環境から逃れようとしなくなる現象を指します。つまり、加えられてるストレスが回避不能なものと「学習」してしまうため、問題解決を諦めてしまうということです。

 

実際に、心理学者のマーティン・セリグマンの実験により、

 

1. 頭部を動かすことで電撃を停止できる犬

2. 1.の犬が電撃を受けたときに同じく電撃を受ける犬

3. 何も電撃を受けいない犬

に電撃を与えたとき、1番目の犬は電撃を回避する行動を学習したものの、2番目の犬は自力では電撃を回避できないため、やがて抵抗そのものをやめてしまった

 

という実験結果が得られたそうです。(犬にかぎらず魚でも猫でもヒトでも)

 

2. 人間と学習性無力感

人間において理由もわからずストレスが加わることは往々にしてありますよね。電撃により拷問される機会は早々無いとおもいますが、人間関係のトラブルや就職活動・人事評価など、明確な理由が提示されることなく理不尽な思いをすることは、まだまだ多いのが現状です。

 

また、集団で行動するヒトという生き物はさらに厄介で、この学習性無力感が集団に伝染する現象も確認されています。つまり腐ったミカン方式ですね。そのため、一人がこの学習性無力感に苛まれると、やがては集団全体が無力感に包まれかねないという問題が発生します。

 

3. 学習性無力感の対策(陥らない対策)

学習性無力感は「抵抗しても無駄である」という学習結果に起因しています。また、この学習によって能力が発揮できないため失敗が続き、負のスパイラルに陥ってしまいます。この状況を打破するのは簡単で、何らかの成功体験を積むのがベストなようです。

 

とは言っても、例えば、就職活動など簡単には成功できない例も多いですよね?(かくいう私もボロボロですし)そこで、負け続けてもできる打開策は「何故失敗しているのかを考える」ことなのではないでしょうか。

 

就職活動がいい例ですが、この現象はプロセスがブラックボックス化されておりフィードバックが返ってこない問題に関して起こりやすいと私は考えております。そのため、問題を直接解決しようとするのではなく、ブラックボックス化されているプロセスをなるべく可視化できるように自ら行動していったほうが、かえって状況の打破には有効なのではないかというのが私の見解です。

 

4. 学習性無力感の対策(陥れない対策)

チームをマネジメントする側の人間においても、学習性無力感という現象は伝染も含めリスクと言えるでしょう。ある種の成功体験を積ませるのもマネージャーの仕事かもしれませんが、それが容易にできない現実もあるかと思います。

 

対策方法としては、意思決定のプロセスを可視化する・フィードバックとその理由を丁寧に説明することに尽きると私は考えております。また、学習性無力感が発生しているということはある種の不信感を持たれていると自覚した方がいいのかもしれません(そもそもストレスとして感じさせているマネジメントに責任がある気がします)

 

5. おわりに

 

単なる個人的メモですが、気乗りしないと思っていることは案外この学習性無力感に起因しているのではないかと思わさせられます。もしかしたら僕が彼女いない歴=年齢なのも、自身に魅力がないという学習の結果故なのかもしれません…