エントリー数という観点から見た就職活動まとめ
「就職活動ってどんな感じですか?」という後輩からの質問のアンサー記事。本当はラボの引き継ぎ資料にしようと思っていたのですがクローズドにしておくメリットもないので、それほど優秀でもないメーカー志望の東京一工レベルの大学院生(修士)なりに考えていたことをまとめてみます。(MARCH以上なら多分同じことが言えます)
1. 就職活動の指針について
私は就職活動で「数」を重視する戦術を取りました。
一見頭の悪い戦術に見えますが、就職活動におけるリスクを最小限に抑えるためにこのような策を取り結果的には成功したと考えております。そのため、本記事ではエントリー数に絞って就職活動を議論したいと思います。
2. 就職活動の結果について
いくら精神論を語っても仕方ないと理系脳なりに思うので、やや生々しいですが私自身の就職活動のデータを提示します。(ただし二次募集でのエントリーの含んでます)
選考過程 | 受けた会社数 | 通過した割合 |
---|---|---|
プレエントリー | 97 | - |
本エントリー | 52 | 100.0% |
書類選考通過 | 34 | 65.4% |
適性検査通過 | 30 | 57.7% |
一次面接通過 | 15 | 28.8% |
二次面接通過 | 8 | 15.4% |
最終面接通過 | 5 | 9.6% |
補足ですが、一次募集(8月第1週に内々定)の書類通過率は81.8%(本エントリー33社), 二次募集(8月第1週以降に内々定)の書類通過率は36.8%(本エントリー19社)です。一次面接以降の通過率はどちらもそれほど変わらないです。内々定は一次募集で3社、二次募集で2社頂いております。(内4社は日経225に属する会社)
3. 自分のデータに関する考察
参考までにですが理系の院生だと大体25社ほど本エントリーするのがベストのようです。私の場合はその倍は本エントリーをしている計算ですね。(なお全ての選考は自由応募です。推薦は使っておりません。)
まず言えることは、東京一工の学歴を持ってしても10社に1社しか受からないという事実でしょう。そんなに世の中甘くないということですね。
次に、一次面接以降はそれぞれ50%ほどの割合で落ちていることも読み取れます。大抵は専攻ごとに3回面接がありますので、本エントリーに15社エントリーして一次面接に8社漕ぎ着ければ内々定が1社もらえる計算になりますね。
加えて、最終面接も例外ではなく50%ほどの割合で落ちています。後にみん就で調べた限り最終面接が形式的な企業は1社しかなかったため、「最終面接は必ず受かる」というのは都市伝説だとみなせますね。
最後に、一次募集と二次募集の比較ですが、一次募集だと一次面接で、二次募集だと書類選考でガッツリ落とされています。内々定率はどちらも同じなので、二次募集の方が比較的スマートに就職活動ができるという結果がでてますね。
以上の結果をまとめると次のことが言えそうです。
- 基本的には10社に1社ほどしか受からないと覚悟しておく
- 面接は半分ぐらい落ちるものだと覚悟しておく
- 8月までに内々定が貰えなくても二次募集で挽回できる
- 数をこなせばそこそこの人間でも内々定を貰いやすい(ここ重要)
- 20社ほど本エントリーすればNNTになる可能性は低そう?
4. 一般的な就活生の就職活動に対するデータ考察
ところで株式会社ディスコの調査(URL参照)によると、2015年の就職活動において、一般的な就活生が本エントリーする企業数は19.3社で1.98社から内々定を貰えるそうです(内々定はNNTの人も考慮して計算し直しております。2.4*0.82=1.98)。この値から10.2%の確率で内々定を貰えるというデータが叩きだされます。私は9.6%でしたので概ね平均の範疇と言って構わないでしょう。
ここで気になったのは、果たして何社受ければNNT(無い内定)を避けられるのか、ということだと思います。そこで、一般的な就活生のデータからベルヌーイ試行に従う確率分布、すなはちn社受けた時に手に入る内々定の数m(内々定率10.2%)を求めてみました。(不慣れなので数学を間違えてたら申し訳ないですが ^^; )
こうしてみると平均値通りに就職活動を続けた場合、約12%の人たちが就職できないようです。平均エントリー数程度のエントリーだと意外にリスクが拭えないんですね。また、当たり前ですが内々定率25%を超えるのはほぼ無理だということも予想できます。
ちなみに、私は50社ほど本エントリーしたので、同じように計算してみると次のようなグラフが書けるようです。
流石に50社も本エントリーしているとNNTの確率は0.37%と下がるようです。ここまでくればよほど運が悪くないかぎり内々定はもらえるものかと。こうしてみると内々定5社も平均値なので対して自慢できないですね(笑)
ちなみにNNTを避けるためには何社受ければいいか(重要)、というは次のグラフにまとめてあります。
こうしてみると30社ほどエントリーすればNNTは回避できそうですね。また、30社ほど受ければ概ね複数の会社から内々定を貰える(つまり選択権を行使できる)ことも予想できます。
つまりは特別な理由さえなければ数さえ受けておけばよほどの人間じゃない限り受かる(しかも30社ほどという現実的な会社数で)という結論が叩き出せます。逆に言えば確率通りに内々定が手に入らないときは何かを疑った方がいい、という結論も叩き出せますが…
5. 結論と注意書き
私自身は「就職活動は運と縁」という言葉が大の嫌いでして、なんとしてでも実力で内々定を勝ち取ると決意していたので沢山の会社を受けて内々定を確実に勝ち取ろうとしました。いざデータを見てみると、やや過剰だったかもしれませんがその方針に関しては間違っていないと改めて自身を持って言えると思います。